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高分子・有機材料工学科

高分子・有機材料の技術革新で日本を元気にする
-時代を拓く先端産業の技術展開に不可欠な高分子・有機材料のスペシャリストを養成-

高分子・有機材料とは

高分子・有機材料は、金属材料、セラミックス材料と並ぶ3大材料の一角を占める重要な物質群です。高分子・有機材料の歴史に目を向ければ、有史前から植物や動物由来の天然高分子の利用等に始まり、19世紀以降は有機化学の飛躍的な進展を背景に様々な色素等が合成されました。また、20世紀に入り人工的に繊維・高分子を合成する技術が確立され、石油化学の発展とともに合成高分子・プラスチックが大量生産されるようになってきました。

一方、20世紀も後半になると、有機材料の光・電子機能が注目されるようになり、例えば2000年のノーベル化学賞が導電性高分子の発見に与えられたように、有機材料の分子創成技術での革新が飛躍的に進んでいます。このような材料革新はプロセス革新をも生み出し、例えば、成形加工を行うのに印刷技術を用いる方法などが生み出されています。さらに、産業に目を向ければ、スマートフォンやタブレット端末に代表される有機デバイス(組み込まれている有機材料が機能発現の鍵となっているデバイス)のハードウエアは、ソフトウエア・情報通信システムと融合し新しい産業を生み出しています。

そのような背景のもと、2000年に新設された機能高分子工学科は、教育・研究に鋭意努力することによって、高分子・有機材料を中心にした合成、物性、有機デバイスの世界的な教育・研究機関に大きく発展を遂げてきました。

約30名もの科学者が結集。
トップレベルの研究や開発に携われるチャンス。

エレクトロニクス関連の材料からバイオ・食品・生化学関連の高分子まで研究は多彩で、そのレベルは世界的に見てもトップクラスです。

城戸・笹部研究室

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有機ELの黎明期から商品化が進む現在に至るまで、材料化学をベースとして、世界トップレベルの研究成果を挙げています。また、近年急速に研究が発展している有機薄膜太陽電池への展開も始めており、「有機エレクトロニクス」全体を視野に入れた、新たな挑戦を行っています。

時任・熊木(大)・松井研究室

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有機半導体を用いた有機トランジスタを基礎とした薄くて軽くて柔軟な電子デバイス、つまり、フレキシブルエレクトロニクスの研究開発を進めています。たとえば、フレキシブルディスプレイ、フレキシブルメモリー、フレキシブルバイオセンサーなどがその代表的な例で、多くの企業が注目している研究分野です。

伊藤研究室

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マイクロ・ナノスケールのプラスチック成形加工に着目し、超薄肉成形、マイクロ・ナノ表面構造体の成形、極微小成形、超精密成形、機能性複合材料加工などについて研究しています。さらに、マイクロスケールやナノスケールのプラスチック機械部品、光学素子などの高付加価値・高機能部材の開発も行っています。

熊木(治)研究室

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原子間力顕微鏡を用いて、特に2次元膜(Langmuir-Blodgett膜等)を観察することで、高分子を分子鎖レベルで直接観察することに世界に先駆けて成功し、高分子鎖が形成する様々な構造・特性を明らかにして来ました。高分子を文字通り分子鎖レベルで研究できるのは、世界的にも極めて限られた研究室だけです。

西岡・香田・宮田研究室

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プラスチック製品の製造工程において特に重要であるレオロジー(溶けた材料の流れ方に関する学問)やプラスチック成形の研究を行っています。プラスチックの成形技術を食品加工という異分野に応用することで、これまで不可能とされてきた米粉100%による製パンを他に先駆けて成功させました。企業との共同研究も多く進めており、各分野からの注目度が非常に高い研究室です。

教育理念・目標
「新分野を開拓する能力を持った新高分子・有機材料の技術者を育成」

高分子・有機材料が持つ多様な機能に基づく技術は、電子・情報産業から、自動車、航空、宇宙産業、さらには医療・福祉産業に至るまで、広い産業分野において必須な基盤を支えています。高分子・有機材料の多くの技術は、社会的背景に応じて発展してきた経緯があり、更なる高性能化・インテリジェント化に対応した技術開発が求められています。また、有機材料が機能発現の鍵となる、有機EL、トランジスタ、太陽電池等に代表される電子デバイスを取り扱う有機エレクトロニクス・有機デバイスの分野の進展も著しく、印刷技術を用いた革新的なプロセスやフレキシブルデバイスの開発など、有機・高分子材料ならではの特徴を活かした研究・技術開発がますます盛んになるものと期待されています。そのような背景に対して、広い視野に立った健全な価値観と、深い工学の専門知識と技能を持ち、社会を豊かにする技術の創造と新たな産業の創成に貢献できる実践的技術者が求められています。

本学科では、幅広い教養と工学の基礎知識に加えて、高分子・有機材料に関して分子レベルから材料レベルまで見渡すことができる専門知識を持ち、地域社会や日本あるいは世界の産業界の現状を論理的かつ合理的に解析・理解し、それを踏まえて新しい取り組みに対して自発的に行動できる技術者を養成します。

本学科の特色
「一流の科学者が集まる国内屈指の高分子・有機材料の教育・研究機関」

本学科は約30名の高分子・有機材料の科学者が結集した高分子研究の一大拠点として、国内外から注目を集めています。こうした一流の研究者たちが、それぞれの専門分野において特色ある教育と研究を行っています。企業の開発技術者も積極的に受け入れながら、基礎から応用まで少人数教育によるきめ細かな指導を行うことにより、独創的な高分子・有機材料の技術者の育成をめざしています。

教育・研究内容

高分子・有機材料物質の基本的な機能は、分子個々の基礎構造(分子構造、1次構造、ナノ構造)、分子の集合体の構造にかかわる高次構造(中間構造、2次、3次構造、メゾ構造)で決まるといっても過言ではありません。また、社会、産業が要求する機能を備えた製品を創造するためには、高分子・有機材料の高度な、成形加工技術や他の新材料との複合化・システム化(マクロ工学)も大変重要な課題です。

本学科では、高分子・有機材料の基礎科学(分子レベル)から製品・実用化(材料レベル)までの一貫した教育・研究を通して、確かな専門基礎学力に立脚した独創的かつ実践的技術者、スペシャリストの養成に重点を置いています。また、他分野にも興味を持つ人材、地域社会や日本の産業界の現状を論理的かつ合理的に解析・理解し、それを踏まえた新しい取り組みに対して自発的に行動できる人材、国際感覚を持った人材を養成します。

本学科の履修プログラムでは、1年次で基盤教育科目および数学、物理、専門基礎科目を配置し、2年次で数学、物理に加えて有機化学、物理化学などの専門科目、高分子合成、光電子材料、高分子物性工学までの概論、構造解析、他学科開講科目、英語科目、実験を配置し、本学科の共通専門知識を体得させます。3年次では、合成化学コース、光電子材料コース、物性工学コースの3つの専修コースに配属させて小人数教育のもと、より専門的内容を体得できるようになっています。さらに、3年次後期から研究室に配属し、少人数でのゼミや実験・研究を通じたPBL教育により、実践的な技術者の養成を目指しています。

学びの特色

高分子・有機材料に関する充実したカリキュラムによって、基礎から応用まで一貫して学習することができます。化学が好きな人は化学分野の専門家へ、物理が好きな人は物理分野の専門家へと進み、将来活躍できる知識と経験を得ることができます。また、最先端の研究を通して実践的な研究手法を学び、多様な高分子・有機材料の専門知識を深めることができます。少人数教育とグループワークを通して30名もの研究者による専門研究に触れることで、社会で期待される独創的な高分子・有機材料分野の技術者になることができます。

アドミッションポリシー

  1. 高分子・有機材料、自然科学や科学技術、ものづくりに対する関心が高く、勉学に対する意欲と吸収力にあふれ、何事に対しても好奇心と情熱をもってチャレンジし、やり遂げる力のある人
  2. 他人への思いやりや優しさ、寛容な心、健全な価値観と倫理観、コミュニケーション能力を有し、社会の中で協調性を保ちながら、自ら考え決断・行動し、成長し続けられる人
  3. 広く社会に目を向け、高分子・有機材料工学の技術の発展を通して強く社会に貢献したい人

高分子・有機材料工学科の沿革